もしも猗窩座が鬼にならなかったら…彼の“もう一つの人生”

『鬼滅の刃』に登場する上弦の参・猗窩座（あかざ）は、悲劇的な過去を持つキャラクターとして知られています。

しかし、もし彼が鬼にならず、人間として生き続けていたとしたら？
今回は、そんな“もしも”の世界を想像してみます。

猗窩座、こと狛治（はくじ）は、病弱な父を支えるために幼くしてスリや喧嘩に明け暮れていました。
もし父が命を絶つことなく、「お前のせいじゃない」と生き続けてくれていたなら…

狛治は道を踏み外すことなく、家族のために真っ当に働く人生を選んだかもしれません。

武術道場の師範・慶蔵とその娘・恋雪に出会い、救われた狛治。
恋雪を看病し、彼女の健康が回復し、2人は婚約の約束まで交わしていました。

もし毒を盛られなければ…
狛治は慶蔵の後継者として道場を継ぎ、恋雪と結婚し、地域に慕われる若き武道家として名を馳せていたかもしれません。

狛治の拳は、人を傷つけるためではなく、守るための力に変わっていったでしょう。
道場には弟子が集まり、地域の子どもたちに礼儀や強さを教える存在に。

「強さは、自分のためではなく、誰かを守るためにある」
その言葉を、彼は人生をかけて体現したのかもしれません。

もし狛治が鬼狩り（鬼殺隊）として活動していたら…？
彼の圧倒的な格闘術と体力は、柱クラスの実力を持ち、鬼に立ち向かう戦士となっていたことでしょう。

水柱・冨岡義勇や炎柱・煉獄杏寿郎とも肩を並べ、炭治郎の兄貴分のような存在になっていたかもしれません。

もしかすると、彼が育てた弟子の中から柱になる者も現れていたのではないでしょうか。

鬼化してしまった猗窩座は、長年にわたり「強さ」だけを追い求め、命の価値を見失ってしまいました。
しかし、もし人間として歳を重ねていたなら、彼はもっと深く“命の重み”を知る人生を歩んでいたはずです。

守るべきもの、愛する人、師への恩、弟子への責任…。
それらすべてを大切にしていた狛治の人生は、まさに「強さとは何か？」を体現する道だったのかもしれません。

猗窩座の過去は、あまりにも切なく、避けようのない運命によって鬼となってしまいました。

しかし、もし誰かが、もう少し早く彼を支えてくれていたら…
狛治という青年は、きっと多くの人を救う“真の武道家”として名を残していたことでしょう。

この“もしも”の物語は、私たちに「人は誰かに支えられて生きている」ことを思い出させてくれます。